「え?緑茶って熱湯入れて飲むだけじゃないの?」と言われることがよくあります。
これだけ日本人の生活に深く入り込んでいるはずのお茶ですが、意外にもお茶の美味しい入れ方・飲み方を知っている方はまだまだ少ないのが実態です。
もちろん時間がない、そんなこと求めていない方に関してはお湯をそのまま注ぐだけでも良いのですが、茶葉にはそれぞれ個性があります。できればその個性をしっかりと発揮できる適切な温度と時間を少しだけ気にかけていただけると、その茶葉の潜在能力が十二分に発揮されます。驚くほど味が違うので、騙されたと思って試してみてくださいね。
厳密にはそれぞれの茶葉によって適温と適した時間は異なります。詳細は後述するとして、一般的な高級煎茶の入れ方の基本を書きます。
美味しいお茶を二人分つくる場合には、沸かしたお湯120〜150mlを70℃~85℃まで冷まします。
そのままお茶碗などの器に入れてしばらく待っていただいても結構ですし、湯冷ましなどの冷めやすい器で下げていただいても大丈夫です。
次に、急須に4~5g(ティースプーンで2杯)の茶葉をいれ、70℃~85℃まで冷ました120〜150mlのお湯を急須にいれ、30秒~1分の間待ちます。
その後、各茶碗に順番に注いでください。
このように注いでいくことで、抽出されたお茶の濃度が一定・均一に湯呑みへ注がれます。
いままで何も考えずにいれていたお茶と全く味が異なるのがお分かりいただけると思います。
美味しいお茶の入れ方で最も大事なのがお湯の温度です。ここを熱湯で注いでしまうと、本来の力が発揮できません。
お湯が高めの温度なればなるほど、渋みや苦味を感じるカテキンやタンニンが抽出されます。昔はよく「お茶の渋みが好きじゃない」と言われる方がいらっしゃいましたが、そのほとんどがこの熱湯を注ぐことから起こっていたと思われます。
反対に、低めのお湯で抽出時間を長めにとると、甘みや旨味を感じるテアニンが抽出され、リラックス効果が抜群のとても美味しいお茶になるのです。
お茶の香りを感じながら待っている間も、お茶をよりおいしく飲むための贅沢なひとときとして楽しんでください。
それぞれの茶葉で最適な温度と抽出時間は微妙に異なります。以下を参考にしながら、お好みのポイントを探ってみてくださいね。