埼玉農業おうえんしたい 設立趣旨

埼玉県は農家数(平成22年全国11位)、農業産出額(平成23年17位、関東農林水産年報より)ともに、全国でも有数な農業県と言ってよい。

また、熱心に農業に取り組む農業者も数多く、優れた農産品を送りだし続けている。

狭山丘陵で生産される「狭山茶」、北本市の「トマト」、深谷の「ネギ」、狭山市の「里芋」白岡市の「梨」等、枚挙にいとまない。

 

ところが、埼玉県民はもとより産地の住民たちでさえも、自分のまちでどのような産品が栽培され、どう加工されて、どこに出荷されているのかを知る人は少ない。

 

身近に産出される優れた農産品を一人でも多くの市民、県民が知ることは、埼玉農業の持続発展にとって大きな意味を持つとともに、県民の食文化を豊かにする上でも極めて重要なことである(課題1)。

 

また、現代の食文化や食嗜好、デザイン感覚に見合った新商品の開発は不可欠である。

農業にもマーケティング知識や技術を導入し、農産物を「商品」として磨き上げていくことが、これからの市場開拓には必要である(課題2)。

 

2015年10月のTPP基本合意によって、農産品の輸出/入自由化は目前に迫っている。

これまで低価格の農産品が流入することに対する懸念が強く表明されてきたが、TPPは半面、優れた日本の農産物、埼玉県産農産物をひろく世界に普及していく絶好の機会でもある。

国内消費が人口減少により逼迫する中では、広く世界に市場を求めることが、埼玉農業にとっても重要であり、それに耐える農産品は数多い(課題3)。

 

このような課題1)を解決するために、2016年より「埼玉の旬を喰らう」と題するイベント・トライアルを行ってきた。

北本市と入間市で行ったツアーイベントには、各20名、25名が参加し、事後評価も高かった。

今後、このツアーイベントを年間五回程度、継続的に実施し、広く県民に埼玉農業の魅力を伝えるとともに、2018年度以降は外国人観光客のインバウンドにもつなげていきたい。

 

また課題2)に対しては2014年より、埼玉大学生による狭山茶の商品開拓を行い、2015年からは浦和アトレ内ザ・ガーデン自由が丘で販売してもらっている。

このような新商品開発の試みは、今後とも続けて行く予定である。

 

課題3)に関しては、2015年モンゴルへの狭山茶輸出で端緒を拓いた。

2016年にはEUイタリアへの輸出と食品見本市への出展を行い、好評を得た。

併せてカンボジアへの輸出の話も進めている。

狭山茶のより広い世界への輸出に、今後とも積極的に取り組んでいくとともに、狭山茶で培った輸出へのノウハウ、ネットワークを使って、他産品の輸出にも今後、取り組んでいきたい。

 

[届け出資料より]