シングルオリジンティー 単一品種茶とは何か?


シングルオリジン、単一品種茶とはなんなのか。最近はコーヒーをはじめとして、シングルオリジンという言葉をよく耳にするようになりました。名前はよく聞くものの、実際にはなんの話かわからない人も多いかもしれません。いくつかのお茶関連のサイトを拝見してみると、「特定農園で栽培された単一品種茶」という書き方で説明されています。

 

これを見ても、いまいちピンと来ない方がいらっしゃるのではないでしょうか。

スーパーのお茶売り場などへいくと、狭山茶、静岡茶、知覧茶、八女茶などと表記されて販売されているのを見かけたことがあると思います。この○○茶というのは、生産地にあたります。狭山茶というのは埼玉県狭山丘陵一帯で生産されるお茶の総称ですし、これが静岡茶になると静岡一帯で生産されたお茶ということになります。

 

普段あまり考えないかもしれませんが、狭山で生産されたお茶は全部同じ品質と味なのかと問われれば、近隣で栽培されたお茶ではあるものの、当然生産者が変われば味が変わります。生産者の生育法だけではなく、畑の場所でも気候や土壌が多少なりとも異なり、茶葉の質や特徴に変化が生まれるはずです。

 

単一品種茶で説明した特定農園というのが、この生産者にあたります。

Aさんの農園で生産された1という品種のお茶、Bさんの農園で生産された2というお茶のように、特定の農園で生産された固有の品種のお茶を単一品種茶と呼んでいます。

 

75%を占める品種の代表格 やぶきた

農林水産省Webサイトより
農林水産省Webサイトより

お茶に興味があまりない方でも、やぶきたという名前は耳にしたことがあるかもしれません。

茶葉には品種があり、その代表格にやぶきたという品種があります。平成24年度なので少し古いデータになりますが、日本で流通しているお茶の品種の実に75%がやぶきたという品種です。

 

寒さに比較的強く、育てやすい。収穫量も多いなどの点から、このやぶきたが主流になってきた背景がありますが、実は日本にはやぶきた以外に100種を超える品種が存在しているのです。

 


狭山は日本有数の単一品種茶の産地
狭山は日本有数の単一品種茶の産地

さて、単一品種茶についてさらに掘り下げる前に、一般的なお茶の仕組みについて述べなければなりません。

 

一般的にみなさんが普段口にするお茶の大半がブレンドされたお茶です。

 

全国から茶葉を買い集め、各産地にいる茶師と呼ばれる人がブレンドをして商品化します(静岡茶は静岡でブレンドされた茶、の意味)。お茶にかかわらず、農作物は毎年の気候によって味や品質が左右されます。

 

ブレンドをすることで、毎年同じような味の茶が大量に作れる、という利点があることから、一定の品質を安定的に供給するためにもブレンド茶が主流になっているわけです。


ブレンドしない狭山・単一品種茶の個性を楽しむ

前述の通り、全国のお茶は一般的に茶葉を仕入れ、ブレンドすることで品質の均一化を測っています。確かにその方法のほうがリスクも少なく、安定供給が可能となります。しかしながら狭山では、数多くの茶園さんが日々の努力から単一品種茶の生産販売に取り組んできました。

 

単一品種茶は農家が頑張って調整をしながら生育をしていますが、毎年味が変わったりします。ブレンドしない分、均質な商品を作ることは大変に難しいのです。もちろん栽培量も少なく、「とよか」という絶滅危惧種などは、年間5㎏とれるかどうかわからない状況です。

 

だからこそ、言い換えると個性があります。

成分は品種によって多少異なりますが、例えば「おくはるか」はクマリンという成分が多少多いために、桜葉の香りがするといわれています。また、「とよか」「ほくめい」「さやまかおり」などはカテキン成分が他に比較して多いので、苦み、渋みが強いとか、「ふくみどり」などは、テアニン成分が比較すると多く、ややうまみが強いとも言われます。

 

その農園の特定品種だからこそ出せる味・個性があるのです。

この個性をとても気に入ってくださるお客様が毎年増えてきています。お茶 = 大量生産の日用品というイメージをもたれる方は多いですが、単一品種茶の個性を大事にされる方が年々増加傾向にあるのはとても喜ばしいことです。

品質の決め手はフードマイレージがないこと

狭山茶の大きな特徴としてよく挙げられるのが、自園・自製・自販農家が多いことです。これはその名の通り、自分で育てて加工して販売まで一つの農家で行うという意味です。昨今では分業化が進み、それぞれの役割を分業するのがお茶生産では当たり前になっています。

 

自園・自製・自販農家は、自宅および工場の近くに茶畑を持っています。遠くてもせいぜい500m範囲の中に位置します。茶葉は、摘み取られてからすぐに熟成が始まり、発熱します。この発熱する状態のことを、「葉が痛む」「葉が焼ける」と言います。生葉をしばらく置いておくと、手を入れることができないほど高温に発熱します。

 

「焼ける」「痛んだ」葉をお茶にし、飲もうとすると酸っぱい味がして、とても飲めたものではありません。

 

 

自園・自製・自販農家の場合、工場近くに茶畑があることで、この熟成・発熱を極力抑えて蒸し工程に入ることができます。これは茶の出来栄えに大きく影響します。フードマイレージがほぼ0に近いのが、狭山茶の大きなメリットの一つです。

シングルオリジン茶の入門商品

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シングルオリジンティーTasting Pack

 

シングルオリジンティー7品種が、10gずつはいった飲み比べセットです。「さやまかおり」「ふくみどり」「ゆめわかば」「とよか」「ほくめい」「おくはるか」「ごこう」それぞれの味、香り、水色(お茶の色)の違いをお楽しみください。お友達などとのお茶会で、大活躍!間違いなしです。このパッケージの帯デザインは、かつて「暴れ川」として有名だった入間川の流路をモチーフにしています。

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シングルオリジンティーバッグTrial Box

希少なシングルオリジンティーの茶葉を5g入れたテトラ型ティーバッグです。6品種のティーバッグ(「さやまかおり」「ふくみどり」「ゆめわかば」「とよか」「ほくめい」「おくはるか」)を1個ずつ、袋に詰めました。「職場や家庭などで、美味しいお茶を、しかも手軽に飲みたい」「野外でも美味しいお茶が飲みたい」という声から生まれました。250ml位のマグカップなら、ティーバッグ1個で3回、600ml程度のティーポットを使えば3~4人は美味しいお茶が飲めます。

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ちゃつみ - leaf

 

シングルオリジンティー5g入りのテトラ型ティーバッグを、1枚の葉に1個ずつ詰めました。5品種(「さやまかおり」「ふくみどり」「ゆめわかば」「ほくめい」「おくはるか」)の味の違いも楽しんでいただけます。大学生が、茶摘みをした時の楽しさを商品にしてくれました。なぜか海外では『日本的な商品』と人気で、プチギフトとしても使っていただいています。


お客様の声

甘みがあるもの、後味がすっきりしているもの、味が濃いもの等それぞれに特徴があり、毎回楽しみにして飲んでいます。市販ティーバッグに比べ多いので、香りや味、色がよくでていたと思います。1つのティーバックで4回くらい飲みましたが、4回目も味がでていて美味しく飲めました。

21代女性


Single Origin Teaという点がとても魅力的なので、マーケティングでこれを強調するのが良い。煎茶はこんなにいろいろな味があるのは初めて知った。

狭山について詳しくなくて、今は海外旅行ができないため、オンラインのツアーに興味がある。

30代女性


私は急須ではなくカップに直接入れて飲むので、葉の量がちょっと多いかな?と感じました。でもとても美味しかったです。プレゼントや来客用に、ぴったりだと思います。

30代女性